グリーンソフトウェアは、世界の炭素強度を考慮する必要がある
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グリーンソフトウェアは、世界の炭素強度を考慮する必要がある

SOGS調査の回答者の中には、ソフトウェア実践者は、データセンター施設における再生可能エネルギーインフラと二酸化炭素排出量にもっと注意を払うべきであり、そこにおいて、グリーンソフトウェアツールはプラスの影響を与えられると述べている人もいます。グリーンソフトウェア開発において、炭素強度を測定・報告する取り組みを支援することで、ソフトウェア実践者は、自身のエネルギー源について十分な情報を得た上で意思決定できるようになります。また、ソフトウェアと再生可能エネルギーの関係について、開発者の考慮が増す機会があると考える回答者もいて、次のように述べています。「再生可能エネルギーへの考慮については、あまり聞いていません。繰り返しになりますが、私は、気候変動対策や再生可能エネルギーを大いに意識し、積極的に取り組んでいるため、全体として、ソフトウェアが気候やエネルギー管理システムにおいてアプリケーションのモデリングや実行に適用される領域以外で、ソフトウェア業界自体はかなり関与していないと感じています」。

また、SOGS調査で別の回答者は、再生可能エネルギーで稼働するデータセンターへの投資が重要であり、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量の測定はモニタリングソフトウェアで可能だと指摘しています:「インフラの領域において、事実上、エネルギーに対する言及はありません。マイクロソフトのAzure data centersに関する自身のコミットメント以外では、サステナビリティの観点からの電力/資源消費に対する言及はありません。付随する機械学習の推奨事項を利用できるモニタリングソフトは圧倒的に多いです。このような指標にエネルギー/炭素消費量を含める機会があり、それにより、スタックの基部でグリーンソフトウェアの開発を支援できます」。

さらに別の回答者は、次のように提案しました。「開発者は、クリーンエネルギー生産に対する一般の理解を加速させ、その作成と採用を促進し、豊かでクリーンなエネルギーのある未来を創造することで、累積的影響が最小限の微視的最適化から私たちの焦点を移すことができるソフトウェアを書くべきです」。

ソフトウェア実践者が、自身の仕事とエネルギーインフラとの関連性を理解するのに役立つだけでなく、世界をより代表する炭素強度データを持つことは、脱炭素化の取り組みにとって極めて重要です。世界の排出量データの問題点として、一部の地域が他の地域よりも強固なデータを入手できることが挙げられます。 炭素排出量と電力供給源のデータを提供し、それをアプリ、スマートデバイス、ソフトウェア製品、および炭素計算プロセスに統合できるElectricity Mapsは、最近、これまで炭素強度マッピングから外れていたインド北部のデータを収録しました。Electricity Mapsでは、地球上の各国のデータを取り込むことに加えて、消費電力の炭素強度は生産電力の炭素強度よりはるかに高い可能性があるため、輸入と輸出を区別しています。ある国の電力生産量を見るだけでは、その国の炭素強度を大幅に過小評価することになります。また、Green Web Foundationは、Emberが提供する世界の送電網の炭素強度データを公開し、78か国と11地域の炭素強度情報を提供しています。このようなデータへの考慮とアクセスを高めることは、測定および報告ツールに関するイノベーションを促進し、ソフトウェア実践者が、自身のエネルギー使用についてより良い意思決定をする上で役立ちます。

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