グリーンソフトウェアの原則を、ユーザーエクスペリエンスの一部としなければならない
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グリーンソフトウェアの原則を、ユーザーエクスペリエンスの一部としなければならない

SOGS調査を通じて学んだように、グリーンソフトウェアが、排出量削減と気候変動の緩和に成功するためには、グリーンソフトウェアを特定の使用事例とクライアントのニーズに適応させることが重要です。ある回答者は、「エンドユーザーが使用でき、使用したいと思うコードをグリーンソフトウェア開発者が開発し続けるためには、エンドユーザーが話し合いに参加する必要がある」と主張しました。 また、クラウド(57%)、ウェブ(52%)、デスクトップ(22%)、モバイル(18%)、および機械学習(14%)の開発者を含む、私たちの調査に回答したソフトウェア実践者の範囲を考慮すると、グリーンソフトウェアの原則は、多くの分野でユーザーエクスペリエンスの一部となるはずです。

全体として、SOGS調査回答者の多くは、エネルギー消費や機能の選択に関する重要な情報を提供するための方法に注目して、エンドユーザーやその他の意思決定者へのより高い透明性を求めています。既存のソフトウェアツールに炭素排出ラベルを追加することを提案した人もいました。自身の仕事に、サステナブルデザインの原則をすでに適用しているという回答もありました。一方、ユーザーフレンドリーで効率的なソフトウェアを作ることで、ユーザーが行動を完了するのに必要な時間を短縮し、そのソフトウェアのカーボンフットプリントを削減できると主張する人もいました。ある回答者は、私たちにこう述べました。「ユーザーに対して、自身の意思決定をユーザーに考えさせる方法として、例えば、データベースXのシミュレーション結果を確認しましたか?入力パラメータを効率よく設定しましたか?など、炭素意識のチェックポイントを組み込んでほしいです。」。 また、エネルギー使用量に関する全体的な透明性の欠如を嘆く声もありました:「すでにパフォーマンスに関心のあるソフトウェア開発者として、より持続可能なソフトウェアを開発する上での主な障壁は、エネルギー使用量(二酸化炭素排出量)の測定に関する情報が不足している。グーグルのLighthouseWholegrain DigitalのWebsite Carbon Calculatorのようなツールでウェブはよく整備されていますが、ローカルプロセスによる環境への影響を推定する同様のユーティリティは少ないように思う」。 様々なアプリケーションに対応した、理解しやすく、使いやすいグリーンソフトウェアを作ることが、商業的な可能性と全体の影響力を高めるために重要です。

回答者の中には、グリーンソフトウェア設計の価値を必ずしもすぐに理解できないクライアントに対して、グリーンソフトウェアの原則をより理解できるようにする方法を求める人もいました。特定の使用事例に関連したグリーンソフトウェアの原則を提唱することも、グリーンソフトウェアの実装を成功させるための重要なステップとなります。 アクセンチュアの報告書では、グリーンUXがいかに企業にとって有益なものであるかが強調されています:「例えば、ウェブページの設計、開発、およびホスティングをサステナブルに行うには、計画段階でより深い配慮が必要かもしれません。しかし、これらの効率化はUXを合理化し、企業のコストを下げることになります。環境に責任を負うウェブサイトは、効率の悪いウェブページと比較して、二酸化炭素排出量が少なく、より高速、より直感的で、潜在的に収益性が高いのです」。

グリーンソフトウェアはまだ発展途上の分野ですが、既存の専門家組織の中には、より持続可能なユーザーエクスペリエンス設計の実践を提唱したいソフトウェア実践者のためにコミュニティを提供しているところもあります。例えばSustainable UX Network (SUX)は、国連の「持続可能な開発目標」に基づいたツールキットやベストプラクティスの創造を望むデザイナーによって2021年に設立されました。この非営利団体は、すでに全世界で1500人以上の会員を擁しており、このことは、グリーンソフトウェアUXのためのリソースが今後さらに求められることを示唆しています。

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