持続可能なAIの規模拡大には、二酸化炭素排出量の測定が不可欠
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持続可能なAIの規模拡大には、二酸化炭素排出量の測定が不可欠

Google BardやChatGPTなどの生成型AIの台頭により、研究者や政策立案者は、大規模言語モデル(LLM)AIのトレーニングや展開における炭素コストに注目しています。マイクロソフトが最近、Bingで行ったように、LLMを検索エンジンに組み込むことで、検索に伴う排出量が最大5倍程度に増えるかもしれません。

Hugging Face社は、AIのカーボンフットプリントの算出にはライフサイクル分析が必要であり、ほとんどの計算において、開発のみが考慮され、使用は考慮されていないと述べています。Hugging Face社が、自社の自己回帰型LLMであるBLOOMのトレーニングに伴う排出量を分析したところ、25トンの二酸化炭素が排出されていることが分かりました。しかし、この数字は、同モデルのトレーニングに使用したコンピュータ機器の製造に伴う排出量を含めると、これよりはるかに大きくなります。 ネーチャーは、もしグーグルやマイクロソフトの検索エンジンが生成型AIを大規模に適用した場合、現実世界での展開や使用事例により、非常に多くの排出量が増える可能性を指摘する研究を発表しました。他の研究者は、AIの炭素強度を測定する方法論を打ち出しています。NeurIPSのような主要なML会議では、参加者に対して、自身の仕事に関連する排出量を開示させることが一般的であり、つまり、そのようなデータを測定・報告するための信頼できる方法が求められています。

私たちのSOGS調査では、AIに関連する二酸化炭素排出量をどのように測定し、報告するかを考えることの重要性が強調されました。ある回答者は、次のように語っています。「ESGとグリーンソフトウェアを結び付けるような工夫が必要だと思います。そして、まだ人々はそれを理解していないと考えます。このことについて、全員が考える必要があります。データマイニングやAIモデルトレーニングのプロセスと、それに必要なエネルギーを結び付けることに人々は気付いていません。私たちは、活動とエネルギーをもっと結び付けることが必要です」。 ML技術者の中には、効率、ベンチマークツール、炭素報告などに焦点を合わせたグリーンMLの開発を求める人もいます。

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